商社がアニメ進出するわけ:双日のケース
伊藤忠商事とカートゥーンネットワークによるアニメ共同製作事業、三菱商事と電通のアニメ事業提携など、近年総合商社がアニメビジネスに関わるケースが増えている。
数千億単位のプロジェクトも行なう総合商社がなぜ不案内に見えるアニメビジネスとの関わりを深めるのだろうか?
社団法人日本貿易会の月報10月号新規事業特集に総合商社のひとつ双日が寄稿した「コンテンツ産業育成における商社の役割」(下記リンク先参照)はそうした疑問の一部に答えるものになっている。
双日はこの5月に日本政策投資銀行とクロックワークス(双日の持分会社)と共同で投資組合(日本コンテンツ投資事業有限責任組合)を設立し、米国最大のアニメ流通企業ADヴィジョンに出資し注目を浴びた。
また、同時にこの投資組合は海外向けのコンテンツライセンスの管理会社ARMを設立している。
今回の特集はこれまでのプレスリリースや報道だけでは判りにくかった、双日のアニメビジネスの目的とARMの役割が簡潔に説明されている。
今回のビジネスのポイントは、総合商社のふたつの大きな機能、海外ネットワークとファイナンス機能が要となっている。海外ネットワークを利用したライセンスの販売は比較的判りやすいが、むしろ今回注目すべきはファイナンス機能である。